コトバノハコ

春夏秋冬、山はどうなる?

30年以上悩まされている花粉症(幸い?にも私はスギとヒノキだけ)も収束を見せ始める、いい季節になってきました。寒くもなく、暑くもなく、あのジメジメした鬱陶しい梅雨がくるまでのつかの間の安寧のひとときでしょうか。

季節の移ろいの中で、春は「山が笑う」と言います(※)。俳句の春の季語とのことですが、これは人口に膾炙している表現ですので余程のことがない限り、皆さんご存知でしょう。

数年前、妻に「夏や秋、冬はなんて言うか知ってる?」と尋ねられ、意識すらしていなかった私には皆目見当がつきませんでした。ことばや漢字の分野ですんなり無知を認めたくなかったため何かセンスある返しをしたかったもののそれも咄嗟には出て来ず、‟仕方なし”に教えを請うたところ、「夏は『滴る』、秋は『(よそお)う』、ついでに言うと冬は『眠る』やで」とのこと。勉強になったと同時に、「日本語の美しさはこういうところにあるんだよなぁ」と感心し、思わず嬉しくなったことを思い出します。

随分前置きが長くなりましたが、このコーナーでは日本語のみならずことばの美しさや不思議さ、また本来の意味とは違った使われ方がまかり通っている語など、例のごとく雑多に扱っていきたいと思います。

※「春山淡冶にして笑うが如く、夏山蒼翠にして滴るが如く、秋山明浄にして粧うが如く、冬山惨淡として眠るが如く」に拠るとされている。

(2021年4月9日 了)


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名言に縋る⑥

「『物』を見る目というのは、人間を見る目でもある。優れた『物』の価値を解せない人は、『他者』をも粗末になっていくのだ」

(宮本輝『三十光年の星たち』より)

(2021年6月4日 了)

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名言に縋る⑤

「スランプってないんですよ。トップに立とうと思ってませんから」

(和田 誠)

「努めて素直になりなさい。拗ねてはいけません。素直になるのが、スランプから抜け出す最短の道です」

(伊藤 整)

(2021年5月27日 了)

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名言に縋る④

「たいせつなのは最初の一歩それ自体だろう。最初の一歩をふみだせば、二歩目はうそのように楽になる」

(門井慶喜『銀河鉄道の父』より)

(2021年5月10日 了)

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名言に縋る③

「不幸というものは、耐える力が弱いと見てとると、そこに重くのしかかる」

(『リチャード二世』より)

(2021年5月6日 了)

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名言に縋る②

「小さいことについては悩め、大きなことについては即断しろ」

(ニーチェ)

(2021年4月30日 了)

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名言に縋る①

「不条理の只中にあると人は、自分と意思の異なる他者を攻撃しがちだ。だが、誰しも事情や背景がある。本当は様々な人がいるから世界は豊かなのに」                                  

 (木内 昇)

(2021年4月27日 了)

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モノ申す!①

映画が好きだから、敢えて言いたい。

皆さんは、【Close up】をどう読み、どう発音していますか?

九割方、「クロー・アップ」と発音し、そして表記しているのでは? 

そういえば某国営放送の番組でも『クローズアップ現代』と堂々と宣っておられましたっけ(『クローズアップ現代+』(プラス)として新たなスタートを切っているようです)。これ、クローアップが正しいんじゃないの? カーペンターズの曲にも『Close to you』というのがあるが、「クロートゥユー」でしょ? 〝あなたのそばに〟みたいな意味だと思うけど、「クローズ」だと閉じるの意味で、まったく通じません。映画のそれも、役者に近づいてアップで撮るんだから、「クローズ」では決してなく、「クロース」で然るべきだと思うのだが。何か、間違ってますかね。もっと厳密に言うなら、「クロウス」なんだろうけど、そこまでは申しますまい…。


(2021年4月20日 了)

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