四月の風にメロディーを乗せて
‟五度”は快楽
音楽が好きです。
その中心は大学時代に出会った合唱でしょうか。パートはずっとローベース。男声→混声→男声という流れで来て、混声時代は『全日本合唱コンクール全国大会』で2度の金賞を受賞するという栄誉にも浴しているのが、ささやかな自慢です。15年以上前、市民オペラの合唱隊として歌った経験もあり。カラオケの十八番は『君は薔薇より美しい』(目標は950点オーバーだが、道遠し?)。楽器の演奏だけは無縁で来ました。
おこがましいのは承知の上で、ピアノが弾ける妻の力を借りていま流行りのYouTubeを利用し、《古き佳き昭和~平成ポップス》なんぞを披露したいという夢を抱いています。もちろん、覆面歌手として。その時が来れば、この場でお知らせいたします。
(2021年3月25日 了)
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私という人間はどうやら…
5月27日22時すぎ――。
歯磨きを終え、寝室へ向かう私に突然妻が放ったひと言。「夫婦コラボで、あの曲を披露するのはいかがなものか…」。
私は基本的にバラードが好きだ。
今回、記念すべきYouTubeデビューにあたり選曲したのは、安全地帯の『出逢い』という曲だった。とにかくイントロのピアノが美しく、かつ重厚さも備わっている。これを妻に弾いてもらいながら朗々と歌い上げるつもりだった。そこへ来て、冒頭の言。要は別れの歌では淋しかろ、暗かろう、ということらしい。
そこで他の候補曲を改めて見返してみた。
『青春の影』(チューリップ)、『時の過ぎゆくままに』(沢田研二)、『時の流れに身をまかせ』(テレサ・テン)、『駅』(竹内まりや)、『もうひとつの土曜日』(浜田省吾)、『for you…』(高橋真梨子)。
名曲ぞろいだと己のチョイスを自負しているが、確かに哀しい曲ばかり。『青春の影』や『もうひとつの土曜日』は違うだろう、という意見もあろうが、曲調は爽やかであっても、決して明るい曲ではない。
娘も交え最終的に選んだ曲は…。近々、この場で発表したい。
(5月29日 了)
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いつか、日の目を見てほしい!
テレビがつまらなくなって久しい。そうお嘆きの貴兄も多いことでしょう(菊正宗のCMふうに読んでね)。
私は相も変わらずテレビっ子だが、『球辞苑』や『プレバト!!』などほんの一部を除いて、熱心に見るものはなくなった。土曜日や日曜日は、ずっとグリーンチャンネルを見ているぐらいだ。
多感な中学生→高校生→大学生時代は、ビデオ録画を忘れたがゆえに見逃してしまうと、心底悔しく、しばらく不機嫌で過ごさねばならないような番組がいくつか存在した(うっかりしていた自分が悪いのに…)。
『週刊テレビ広辞苑』、『探偵!ナイトスクープ』(上岡局長時代)(※)、『鶴瓶・上岡パペポTV』そして『らくごのご』もそんな中のひとつだ。
ご存知ない方のために簡単に内容に触れておこう。出演は桂ざこば、笑福亭鶴瓶、司会に酒井ゆきえ。毎週ゲストがひとり招かれ、ふたりに演じてほしい落語のお題を観客にいくつか挙げてもらい、ゲストはお題を3つ選ぶ。ざこば・鶴瓶の両人はほんの数分間でいわゆる『三題噺』を即興で完成させて披露するというもの。約7年間続いた同番組での白眉は、何といってもゲスト・さだまさしの回だろう。今で言う〝神回〟ですな。ご承知の通りさだは國學院大學の落語研究会出身。お題のチョイスが一筋縄ではいかないことは容易に想像され、弟子をたくさん抱える〝師匠〟と呼ばれる身となったふたりも普段のようなリラックスした雰囲気ではなく、人間国宝・桂米朝を前に一席披露するぐらいのただならぬ緊張感が、舞台には横溢していた。
さだは当然のことながら、容易につながらない、結びつけられそうもないお題を3つ選んだ(一方でそれは、それらを挙げた観客のすごさでもあるのだが)。
難題3つは以下のとおり。北方領土、ふたつめト音記号、そして干瓢――。
3つが出揃ったときの、ふたりの苦悶の表情を今でもありありと思い出すことができる。結果的になんとか最後までやり遂げた両人だったが、あまりの難行に鶴瓶は「こんなに苦しめやがって、もう許さん。代わりにこの3つの題で歌を作れ!」とさだに厳命、これには観客も大いに沸き、さだも困惑の体であったが、見事に実行したさだは更に?男をあげた。その名曲がこれである。
さだは自身のコンサートでこの曲を披露、映像は当時の放送のビデオ録画であり、当然画面の歪も大きく、またさだの頭部のそれも甚大で…(失礼!)。
それにしても、名曲です。やっぱこの人天才。本人は「あの時はシャレで応えただけ」と絶対に受けてくれないだろうが、どこか、なにかのタイミングでアルバムに収録されることを切に切に願ってやみません。(敬称略)
(※)蛇足ながら、『探偵!ナイトスクープ』には、私じしんも出演経験あり。
(2021年4月24日 了)